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秋じゃがいも栽培のポイント

2023-07-01

●秋じゃが栽培ポイント

夏から秋にかけて栽培する「秋ジャガ」は、暑さが残る9月ごろに植え付け、11~12月に収穫する作型です。春ジャガと同様、植え付けから約3カ月で収穫できます。
秋ジャガは、春ジャガに比べて収穫量はやや少ないものの、イモのでんぷん価が高くなり、ホクホク感が増すのが特長。気温の低い時期に貯蔵するため、3カ月ほど貯蔵してもほとんど 芽が伸びず、長期間にわたって料理に利用できるのが魅力です。
栽培期間の夏から秋は、害虫発生や台風被害の危険性も高くなりますが、植え付け時期を守る、秋ジャガ栽培向け品種を選ぶなど、秋作ならではのポイントを押さえれば栽培は簡単。春ジャガとはまた違った味、食感が楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてください。

①栽培計画
秋ジャガの栽培では、(1)秋作に適した品種を選び、(2)地域に適した時期に植え付けをすることがポイント。
栽培に適した品種を植えないと、出芽が遅れ、その後 の霜や寒さで枯れてしまいます。また、植え付け時期が早いと、暑さでタネイモが腐敗し、芽が出なかったり、青枯(あおがれ)病にかかりやすくなります。一方、植え付けが遅れると、生育後半の寒さでイモが十分に大きくならず、収量が少なくなるので注意が必要です。
植え付け適期
中間地(鹿沼地区):8月下旬~9月上旬

②タネイモの準備
秋ジャガの植え付けは、暑い時期に行うので、タネイモを切って植え付けると、腐りやすくなります。そのため、できるだけ切らずに植え付けると腐敗は少なくなります。

③土作り・植え付け
ジャガイモは連作すると、そうか病や青枯病などの土壌病害が発生しやすくなるので、連作を避けてください。畑は排水性、保水性がよく、強風が当たりにくい場所を選びます。そうか病の発生を抑えるために、1m2当たり石灰の施用量は少なめ(50g)にし、堆肥(たいひ)は500gとして十分に耕うんします。
幅60~70cmの畝(うね)の中央に深さ5cm程度の植え溝を掘り、タネイモを株間25~30cmで置きます。2~3cm覆土し、その上に化成肥料(8-8-8)を1m2当たり100~150gまき、タネイモの上に 10cm程度覆土をして畝をつくります。
植え付け後に雨が降らない場合は、水やりすると出芽が早まり、収量が多くなります。

④管理作業
生育が順調だと、植え付けの2~3週間後に出芽してきます。出芽が揃った時期(茎の長さが5~10cm)に、根張りをよくするため、除草を兼ねて株元に土寄せします。土寄せの時期が遅れると、伸びた根を傷つけることがあるので時期を逃さないよう注意します。
また、ヨトウムシ類の幼虫による葉への被害や、気温が20℃前後で降雨が続く場合には疫病が発生することがあるので、定期的に生育状況を確認し、被害が見られる場合には、早めに殺虫剤、殺菌剤による防除を行います。

⑤収穫
生育が進むと茎葉が枯れてきます。また、生育後半に霜にあい、茎葉の一部が枯れる場合があります。しかし一部の茎葉が枯れていても、イモは大きくなり続けるので、 収穫は茎葉がすべて枯れる12月ごろを目安に行います。地域によって、地表面近くは氷点下になることもあるので、その場合はイモの凍結を避けるために早めに収穫します。腐敗防止のため、収穫は晴天が続き、イモに土がつきにくい状態で行います。土が湿った状態でイモを収穫した場合には、風通しのよい場所でイモの表面を乾燥させます。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。